ポジティブ思考に疲れていませんか?
突然ですが、
「ポジティブでいなくちゃ」と思うあまり、
疲れてしまったことはありませんか?
僕たちが
スピリチュアルな考え方に触れるとき、
そこにはとても素敵な
学びと癒やしが詰まっているものです。
だけど一方で、
いつの間にか
「ネガティブな感情はダメ」
「悲しんではいけない」などと、
自分や相手の本当の気持ちを
押し込めてしまうことがあります。
実は、その状態を指す言葉のひとつに
「スピリチュアル・バイパス」
というものがあるのをご存じでしょうか?
スピリチュアル・バイパスは、
目の前の痛みや問題に正面から向き合わず、
「宇宙」「光」「引き寄せ」などの概念で
ごまかしてしまう行為をいいます。
これを聞くと、
「あれ? もしかして自分も……」
と思う方もいるかもしれません。
でも安心してください。
スピリチュアル自体が悪いわけでは
全然ありませんし、
僕自身も大いに助けられてきた一人です。
ただし、
間違った使い方をしてしまうと、
本当に大切な
“自分の感情や人生の課題”に
蓋をしてしまうことがあるんです。

この記事では、
スピリチュアル・バイパスが生まれる理由や、
代表的なパターン、
そして、どうやってそれを避けながら
スピリチュアルを前向きに生かせるのかを
掘り下げていきたいと思います。
あなたの中にある
モヤモヤの正体がわかるかもしれないので、
ぜひ最後まで読んでみてくださいね。
スピリチュアル・バイパスとは?
「本当の痛み」を見ないで、
遠回りしてしまう状態
スピリチュアル・バイパスは、
英語の“Spiritual Bypassing”を
和訳した言葉です。
バイパスといえば“迂回路”のこと。
つまり、
本来であれば
向き合うべき心の痛みや恐れ、
現実的な問題を
“スピリチュアルな理論”
で遠回りしようとしてしまうんですね。
たとえば、
- 悲しいときに
「そんなのは波動が下がるからダメ」
と自分を責める - 仕事でミスをしてしまったのに、
「宇宙の采配だから」
と開き直って改善しない - ケンカした相手との関係修復よりも、
「浄化すれば大丈夫」と儀式だけに頼る
――これらは一見、
「前向き思考でいいじゃない!」
と思われがちですが、
実は心のどこかで
「本当は怖い」
「本当はつらい」
と感じている自分を
否定してしまう行為でもあります。
スピリチュアルな教えは、
僕たちに希望や安心感を与えてくれる一方で、
使い方を誤ると
大切な学びのチャンスを
逃してしまうかもしれません。
具体例で見る、7つのスピリチュアル・バイパスのパターン
ここからは、
陥りやすい代表的なケースを
いくつかご紹介します。
どれもスピリチュアル好きなら
「わかる……!」
という例ばかりかもしれません。

- ネガティブな感情を「光と愛」で封印する
「怒りや悲しみは波動を下げるからNG」と思い込み、
感じた瞬間にフタをする。
結果、感情のエネルギーが出口を失い、
後で大爆発することも。 - 「宇宙の采配」「ハイヤーセルフ」に責任を丸投げする
「これは宇宙が選んだ道だから」と言って、
自分が本来するべき行動を
先延ばしにするパターン。
問題解決が進まず、
かえって状況が悪化してしまう。 - 「浄化」「ヒーリング」に依存して自己分析をしない
セッションや遠隔ヒーリングそのものは
素晴らしいけれど、
何かあるたびに
「浄化すればOK」で済ませてしまう。
現実世界での対話や改善策を
考えなくなるリスクが。 - 「愛と調和」を重んじすぎて境界線を失う
「どんな人も受け入れなくちゃ」と
自分を犠牲にしがち。
ノーと言えず疲弊し、
自己否定に陥ることがある。 - ポジティブ思考や引き寄せ主義が独善的になる
「私が幸運なのは波動が高いから」
「うまくいかないあの人は波動が低いのよ」
と断じ、
相手の背景を知ろうとしない。
共感力を失いがち。 - 「過去世」「カルマ」にばかり原因を求める
「私がこうなのは前世からのカルマだから」
と言って、
現実でできる努力を放棄してしまう。
行動しないから状況が変わらないまま。 - スピリチュアルリーダーや教祖を盲信してしまう
自分で考えるのをやめてしまい、
「先生が言うから正しいんだ」
と受け身一辺倒に。
トラブルや搾取があっても
声を上げづらい状況になりやすい。
心当たりはありましたか?
「え、当てはまるかも……」
という方、
落ち込まないでくださいね。
実は僕も、
かつてはポジティブ一辺倒で生きようとして、
逆に苦しくなったことがあるんです。
スピリチュアル・バイパスの功罪

◇ “功”の部分
実のところ、
スピリチュアル・バイパスを
経験する人の多くは、
もともと強い苦しみや悩みを抱えていたり、
心を救ってくれる何かを求めていたりします。
だからこそスピリチュアルの世界に惹かれ、
教えに触れて
「ポジティブな気持ち」を得ることができた。
これは大きな功績ですよね。
もしスピリチュアルに出会わずにいたら、
もっと大きく落ち込んでいたかもしれません。
◇ “罪”の部分
ただ、長い目で見ると、
「痛いところ」から目をそむけ続けることは、
人生を停滞させたり、
同じ問題を何度も繰り返す原因になります。
本来は向き合うべき課題に
背を向けるわけですから、
どこかで
「本当にやりたいことが見えない」
とか
「実はずっとモヤモヤしている」
という状態に陥りやすいんです。
また、
周囲への共感や思いやりを忘れてしまったり、
偏った思考に囚われてしまう可能性も
否定できません。
なぜ痛みや悲しみから逃げないほうがいいのか?
僕たちは、
人生で起きるつらい出来事や
ネガティブな感情から
“生きた学び”を得られます。
悲しみと向き合うからこそ、
生きる意味や、
自分が本当に求めているものを
知るきっかけになるのです。
たとえば、身近な人を失う悲しみ。
その悲しみにじっくり浸るのは
とても苦しい。
でも、
そのプロセスをちゃんと経験することで、
「自分がどれだけ相手を愛していたか」
「人とのつながりがどれだけ大切か」
を再認識できる。
結果として、
自分の人生を
さらに豊かにしてくれる可能性もあります。

もし悲しみを“低波動”として否定し、
即座に消し去ろうとしたら、
そうした学びや気づきを受けとれません。
それどころか、
いつまでも心の奥でくすぶり続けて、
別のタイミングで
形を変えて出てくるかもしれないんです。
だからこそ、
少ししんどいかもしれませんが、
痛みを「ちゃんと感じる」ことが
大切なんですよね。
スピリチュアル・バイパスを防ぐ5つのポイント
それでは、
具体的にどうすれば“バイパス”に陥らず、
スピリチュアルを
上手に取り入れられるのでしょうか?
以下の5つを意識してみてください。
- ネガティブな感情も“必要なサイン”と捉える
「あ、今、自分は悲しいんだな」
「怒ってるな」と気づき、
それを否定しないこと。
そのうえで
「どうして怒りが湧いたのか?」と
自分の内側を見つめてみる。 - 身体感覚を大事にし、“今ここ”を意識する
瞑想や呼吸法をするときも、
「大丈夫、大丈夫」と
言い聞かせるだけでなく、
身体の感覚をじっくり味わってみる。
足裏が地面につく感覚を
確かめるだけでも、
現実とのつながりが強まります。 - 現実的な問題には行動や対話を組み合わせる
人間関係のこじれがあれば、
話し合いを試みる。
自分だけではどうにもならないときは、
カウンセリングや専門家の助けを借りる。
スピリチュアルワークと
「地に足のついた対処」を両輪で回そう。 - 境界線(NOと言う勇気)を持ち、盲信を避ける
「愛と調和が大事だから」と
何でも受け入れるのではなく、
明らかにおかしいと感じたら
遠慮せずに距離を置くこと。
スピリチュアルリーダーや
教祖に対しても
批判的思考を少し持ち続ける。 - スピリチュアルはあくまで“ツール”であり、自分を見つめる補助として使う
スピリチュアル自体をゴールにしない。
最終的には
「自分の感情や人生を
しっかり選択できる自分」
に近づくことが目的。
僕自身の経験:バイパスにハマりかけたときの話
実は僕も、
かつては
「ポジティブでいなきゃ!」
と強く思いすぎて、
落ち込む気持ちや悲しさを
必死に押し込めていた時期がありました。
友人から
「本当はもっと苦しんでるのに、
それを全然言わないよね?」
と指摘されたとき、
ハッとしたんです。
そこから一念発起して、
自分の弱さや恥ずかしさも含めて
言葉にしてみるように心がけました。
すると不思議なことに、
周りの人との関係が深まって、
今までは表面的な会話ばかりだったのが
「お互い本音で話せる仲間関係」
へと変わっていったんです。
“ポジティブだけが正しい”と
思い込んでいたころは、
人と比べて心のなかで
ジャッジをしてしまったり、
自分自身を
追い詰めたりしていたんだなと気づきました。
スピリチュアルの教えは、
痛みを否定するための道具じゃなくて、
僕たちが心を自由にするための
ガイドなんですよね。
まとめ:スピリチュアルは“逃げ道”ではなく“生きる道”になる
スピリチュアル・バイパスは
決して特別な人だけが陥るものではなく、
僕たち誰もがハマりがちです。
でも、この記事を読んだ今、
あなたには
「その落とし穴を知ったうえで
どう使うか」を選ぶ権利があります。
- ネガティブな感情は決して悪ではない。
- スピリチュアルを上手に使えば、
深い癒やしと学びが得られる。 - だけど、
その使い方を間違えて
現実から逃げ続けると、
本当に必要な変化や成長を
先延ばしにしてしまう。
もし今、
あなたの心に悲しみや怒りがあるなら、
どうかそれを“切り捨てる”のではなく、
“大切なメッセージを
届けてくれているサイン”として
受けとめてみてください。
人に話してみるのもいいし、
ノートに書き出してみてもいい。
そして、
それでも
どうしようもないくらい苦しかったら、
誰かを頼ってください。
信頼できる仲間や専門家、カウンセラー。
スピリチュアルも含め、
多方面のサポートを組み合わせることで、
きっとあなた自身が
心から納得できる道を
歩めるようになるはずです。

最後まで読んでくださって
ありがとうございます。
「スピリチュアル・バイパス」
という言葉を
初めて知った方も多いかもしれませんが、
これを機に
“痛みを含めた自分”を
抱きしめられるようになると、
あなたの人生は
もっと豊かに広がっていくと思います。
ぜひ、
今日から実践できる
小さな一歩を踏み出してみてくださいね。