「ねえ、おじいちゃんって、
どんな人生だったの?」
そう尋ねる僕に、
おじいちゃんは教えてくれた。
戦争で人生を狂わされたこと。
食料も、水も、何もかも足りなくて、
地べたを這うように命からがら逃げて、
いつ、どこから襲われるか分からず
満足に眠ることも出来ず、
爆撃の乾いた音と
炎が村を舐める臭い、
黒煙の隙間に見える空が無情なほどに遠い。
戦後しばらく経っても
ふとした瞬間に湧きあがってくる恐怖に
意識が呑み込まれる感覚。
「・・・生き切ることが、できなかった」
おじいちゃんの言葉には、
腹の底から吐き出された悔しさがあった。
「お前は人生を楽しむんだぞ、」
「ありがとう、おじいちゃん。・・・」
亡きおじいちゃんが伝えてくれた言葉に、
僕はなぜか、
後ろめたさを覚えた。。。
こんにちは、城間大輔です。
昨日から、
僕がたった一日で、驚くほどあっけなく
〝変容期〟を乗り越えた
エピソードをお届けしています。
前回をまだ読んでいない方は、
こちらからどうぞ。
↓
〝変容期〟とは、
スピリチュアルな成長や変化が
急激に起こる時期のこと。
この間、感情の揺れや
頭痛、疲労感といった
身体的症状があるほか、
エネルギーの循環に
支障をきたす人もいます。
エネルギーワーカーとして
順調な日々を送っていた僕に
突如訪れた変容期。
僕の場合は、
やる気がまったく
出なくなってしまいました。。。
何をやっても改善が見られないなか
グループコンサルに参加した僕に、
講師や他の受講生が
教えてくれたこととは・・・
変容期を経験したことがある方も、
そうでない方も
ぜひ最後までお付き合いくださいね。
「だいちゃんがエネルギー不足なのは
『死』を思えてないからだよ」
「おじいちゃんが亡くなった」
という連絡を受けた日の午後、
僕は、
東京でグループコンサルを
受けてました。
ビジネスという視点で心の在り方を学ぶ
半年間セミナーに参加しており、
月に1回、
そのセミナーの講師3名が直接指導してくれる
グループコンサルに参加していたんです。
学びを深める貴重な機会なのに
僕はまったく集中できず。。。
でもそれは、
おじいちゃんが亡くなったからではなく、
変容期のエネルギー切れのせい。
仮におじいちゃんが元気だったとしても、
きっと意欲が低い状態で
「とりあえず、やり過ごそう。。。」
って思っていたに違いない。
きっと地元の沖縄では、
おじいちゃんの葬儀のあれこれで
親や親戚が慌ただしく動いている。
でも僕は葬儀に
直接携わることはないし、何より
「死んだ後のおじいちゃんとも話せる」。
今朝も、おじいちゃんと話をして、
「お前は人生を楽しめ」
ってメッセージをもらった。
(こんな変容期真っ只中で
「楽しむ」には程遠いけど。。。)
グループコンサルには15名ほどが参加。
セミナーの講師陣3名が
3つのグループに分かれて、
受講生にコンサルをしました。
「・・・じゃあ次はだいちゃん。
最近、何か課題に
感じてることはある?」
僕は、講師に
変容期のことを言うか迷いました。
だって、正直に話したら
〝変容期〟がなんなのか
説明しなきゃいけない。
僕のグループを担当する講師は、
エネルギーに関する知識も深い人。
だけど、
突然スピリチュアルの話をされたら
面食らってしまうに違いない。
(後で振り返ってみると、
講師や他の参加者に
ダサい姿を見られたくないのが
一番の理由でした。。。)
それなのに、
少し覗き込むような講師の視線に
すべてが見透かされているようで、
つい、正直に話してしまいました。
「実は5月下旬から一気に
モチベーションが下がってしまい
ここ2ヶ月、
何をやっても改善しないんです」
一度話し始めてしまったら後には引けず、
気付くと自分の状況を詳しく説明してた。
「・・・」
静かに状況を聞いていた講師が、
口を開き、一言。
「だいちゃんがエネルギー不足なのは
『死』を思えてないからだよ」
「え?」
「『死』に対する臨場感がなく、
今日が最後かもって思えないから、
人とエネルギーの循環が起こせず
エネルギーが湧いてこないんだよ」
「・・・。」
(〝変容期〟を抜け出せない理由が
まさか『死』の臨場感が
ないことだなんて、)
呆然とする僕に、講師は
「こんなことをしたらどうか」
ってアドバイスをくれたものの、
いまいちしっくりこなくて
受け入れられないまま
グループコンサルは時間切れ。
(不完全燃焼だけど、
このまま終わってもいいや)
だって、解決のヒントを
もらったからといって、
すぐに良くなるわけではないから。
今回の〝変容期〟は随分と長いから、
治るのもきっと時間がかかるだろう。
その時の僕はそう思ってたんです。
「なんでもいいから、
出せばいいじゃん!」
休憩時間を挟んで、
その日のグループコンサルの
総括が行われました。
3名の講師それぞれが
受け持ったグループから、
特徴的なエピソードを発表し、
考え方についてアドバイスをシェアする、
そんな時間です。
僕のグループでは、
別の参加者の事例が報告された。
ホッとしつつも、胸の奥がチクリとした。
(これで今日は終わりかあ。。。
〝変容期〟は解決しなかったけど、
まあいいか、、)
・・・と思っていたら、
最後の最後になって、
僕のグループを担当していた講師が突然、
「実はね、
だいちゃんが
エネルギー切れで・・・」
と、声を上げたのです。
心臓を
わしづかみされたような気がして、
思わずドキッとしました。
僕の心境などお構いなしに、
講師は、僕の状況を
他の受講生に説明しています。
(この、グループコンサルの
終わり間際の時間に?今から?)
そうこうしているうちに、
みんなの前で僕が話をすることに。
「だいちゃんは、どう生きたいの?」
「・・・子どもたちに教えるべきことが
教えられてなくて・・・」
本音は
「〝変容期〟を乗り越えたい」
それなのに口から滑り出すのは、
表面を取り繕った言葉ばかり。
(あれ、なんで僕は
こんな話をしているんだろう?)
そんな思考を見透かすように、
「このまま『死』に対する
臨場感がなかったら、
人と深く関わることが出来ず、
いつまで経っても
エネルギー切れのままだよ?」
と講師からキツイ一言が。
別の講師からも、
「今のだいちゃんは、
傷つくのが怖くて
感性にフタをしてごまかしてるよ」
「ごまかし続けたら
感性が分からなくなっちゃう!」
「諦めなければ、今、この瞬間から
変わることができるよ!」
など、力強いメッセージをもらった。
それなのに、
「今、変われるから、だいちゃん!
さあ、もっと自分の
想いを出して!熱く!」
って言われても
(何をどう出せばいい・・・?)
自分が何を言うのが
正解なのか分からない。。。
僕の頭の中には
「人と深く関わる」って
どういうことなんだろう?
って思考がぐるぐる回ってました。
真っ暗で狭い空間のなか、
濁ったペンキで渦を描き続けるような。
人間関係の悩みなんか、なかった。
・・・なかったつもりでいたけれど、
それは人と深く関わらないから、
困ることがなかっただけだと
気付かされた。
親と深く関わることがなかった。
腹を割って話すことがなかった。
奥さんとも深くぶつかることがなかった。
みんなそんな関係。
それが普通だった。
深く関わることを恐れていた。
かっこ悪いところを見せたくない。
拒絶されたくない。
拒絶されるのが、怖い。
だから深く関われない。
そういう思いが
心の奥にあると気付きました。
死に対して、臨場感がない。
来世があるからいいや、と思ってました。
ゲームみたいに
死んでも「コンティニュー」を押せば
来世として復活できる。
今朝だって、
亡くなったおじいちゃんとも普通に話した。
これからも、いつだって話せる。きっと。
でも・・・。
確かに、魂は死んだ後も
残り続けるけど、
この身体で、この命で
人とのご縁を紡ぐのは
今世たった一度限りだと
気付いたんです。
今、こうして目の前には
セミナーの講師たちがいる。
ほかの受講生がいる。
でも、もしかしたら
もう二度とみんなとは
会えないかもしれない。
もう二度と、言葉を交わすことは
できないかもしれない。
そんなときに、僕は、
みんなに何を伝えるのだろう?
・・・そう、
僕は今、目の前にいる人との
ご縁が、共に過ごす時間が、
どれほど貴重なものか
心の奥底から理解することができず、
だから、
人と深く関わることが
できなかったんです。
僕はほんとうに
今のままでいいの?
いや、
〝変容期〟を抜けて
もっと熱く生きたい!
・・・でも。だけど。
「・・・自分が何を言えば
正解なのか分からない、」
正直な言葉が出た、
普段ならダサくて言えない言葉が。
「思ったことを
言うだけでいいんだよ!」
(思ったこと・・・)
「胸を熱くして生きる・・・!」
心の奥を探り、
そこにある想いを
ようやく口にできました。
しかし、さらなる講師の一言が。
「まだまだ
全力が出るよね?」
今のはせいぜい7割程度しか
自分を出し切れてない、
それで終わってしまったら、
ずっとだいちゃんは変われない。
今までの人との関りの浅さや
心のブロックを吹き飛ばすように
全力でぶつかってきて!
普段は穏やかに話す講師が、
珍しく声を張り上げて
僕に伝えてきたんです。
「・・・」
他の受講生は僕のことを
信じて見守ってくれてる。
共感して泣いてる人もいた。
それなのに僕は
喉がつかえて
声を出すことができない…!
「なんでもいいから、
出せばいいじゃん!」
突然、
胸をえぐるような叫びが空間に響いた。
2人の講師と僕とのやりとりを聞いていた
3人目の講師(女性)が、
直球で僕にぶつけてきた叫び。
暗闇を潔く切り裂く閃光のような。。。
「泣きたければ泣けばいい!
叫びたいなら叫べばいい!」
「仕事をしていても
身体は生きているんだよ!
もっとぐしゃぐしゃでいい、
感情を出そうよ!
そのほうがカッコいいよ!」
こんなふうに
誰かから直球で
ぶつかって来られたのは、
生まれて初めて。
まさに、魂の叫びでした。
「・・・自分を出さないようにしていた。
・・・人間として生きたい。
死を感じて生きたい。
ほんとうに、変わりたい・・・!」
気が付くと、
僕の内側から想いが溢れていた。
「全力で、
熱く生きる!!!」
気が付くと、
僕は椅子から立ち上がっていた。
「僕も立ちたい!」
気が付くと、
今まで見守ってくれていた
受講生のみんなが次々と立ち上がり、
「手、つなごうか!」
全員で輪を作り、
僕を応援してくれました。
「「「頑張れ!!
だいちゃん・・・!」」」
(続く)
最終回は明日、配信していきます。
僕が今回の〝変容期〟で
学んだことをお伝えしますので、
配信を楽しみにお待ちくださいね。